よくわかる病理診断報告書
Q3 乳頭状病変の良悪性判定について教えてください
掲載誌
CANCER BOARD of the BREAST
Vol.1 No.2 29-31,
2015
著者名
森谷 卓也
/
鈴木聡一郎
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
癌
診療科目
一般外科
/
腫瘍内科
媒体
CANCER BOARD of the BREAST
乳頭状病変とは,乳管内に樹枝状の間質介在を伴う上皮の増生を認める病変のことを指します。通常,間質は膠原線維と小血管から成ります。上皮成分はその間質を取り巻くように介在しています。良性の病変は乳管内乳頭腫で,主乳管に生じる中枢型と,末梢乳腺実質の小乳管に,しばしば多発する末梢型のものがあります。後者はときに,乳腺症に内包されています。悪性の病変は中枢性・末梢性ともに乳頭状癌(乳管内乳頭状癌)で,間質浸潤を認めない場合には乳頭状型非浸潤性乳管癌とも同義です。間質への浸潤を伴う癌は浸潤性乳管癌(取扱い規約では乳頭腺管癌)に分類されます。なお,嚢胞状に拡張した乳管内に生じる病変は嚢胞内乳頭腫,嚢胞内乳頭癌とも呼ばれます。乳頭状病変の良悪性判定においては,樹枝状間質に沿って介在する上皮に二相性が存在するか,言い換えると筋上皮が存在するかどうかが重視されています。乳頭腫はほぼ例外なく筋上皮が残存しており,定型的な乳頭癌では筋上皮が消失します(図1)。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

