Trends in Psychiatry
古典『被害妄想 その背景の諸感情』
掲載誌
精神科臨床 Legato
Vol.10 No.3 60-63,
2024
著者名
和田 央
記事体裁
抄録
/
連載
疾患領域
精神疾患
診療科目
心療内科
/
精神科
媒体
精神科臨床 Legato
ピエール・ジャネは1859年にパリで生まれ,心理学者としてキャリアをスタートさせました。精神病理学の研究のため医学を勉強し,1890年からサルペトリエール病院で心理学的治療を始めます。当時,サルペトリエール病院ではジャン=マルタン・シャルコーが催眠を通じたヒステリーの研究を推進していて,非常に注目されていました。ジャネもシャルコーのもと,ヒステリー現象の心理学的研究に携わるようになります。
シャルコーは学問の世界から異端視されていた催眠術を科学研究の一方法として導入しましたが,ジャネは催眠術そのものよりも,催眠をかける術者(医療者)と,催眠をかけられる人(患者さん)との対人関係が治療に役立っているのではないかと考えていたようです。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。