地域の特性に応じた早期介入による持続可能な地域包括ケアシステムの実現を目指して

東邦大学医学部精神神経医学講座は，2007年にユースデイケア「イルボスコ」を開設し，その先駆的な試みで国内をリードしてきました。イルボスコは，思春期・青年期の統合失調症前駆状態や初回エピソード統合失調症を対象とし，発症予防や早期介入を目指す試みです。国際的にも多くの知見を発信し続けてきましたが，医療機関の受診者を対象としてデイケアの枠組みのなかで行う介入であることから，地域のなかでメンタルヘルスや精神疾患の問題を抱える人に，どのようにアプローチするかも課題となっていました。 そうしたなか，私は，2019年に厚生労働科学研究の研究代表者を務める機会をいただき，各地の地域特性を反映した早期相談・支援体制の構築の提案を目的としたプロジェクトであるMEICIS（Mental health and Early Intervention in the Community-based Integrated care System，メイシス）をスタートさせました。