―近年,脳画像研究は大きな飛躍を遂げ,精神疾患の脳基盤の解明に用いられています。脳画像が研究されはじめたのはいつ頃からでしょうか。
脳機能画像解析研究は1980年代から1990年代にかけて著しく進歩し,従来は不可能であった微細な脳の形態や機能解析を可能としてきました。精神科領域においてもその波に遅れることなく,数々のトップジャーナルで精神疾患における特徴的所見が報告されています。
そもそも精神科領域における脳画像検査の目的は,脳の機能性疾患の診断において,器質的異常と鑑別することにありました。たとえば,幻覚や幻聴の症状がみられる患者さんを統合失調症と診断するには脳腫瘍や脳梗塞を否定する必要があり,そのための除外診断として脳画像が用いられてきたのです。