免疫チェックポイント阻害薬を中心とするがん免疫療法は,手術,抗がん剤治療,放射線治療に次ぐ第4のがん治療として注目されている。なかでも,抗cytotoxic T lymphocyte associated antigen 4(CTLA-4)抗体と抗programmed cell death 1(PD-1)/PD-1 ligand 1(PD-L1)抗体は,多様ながん種において臨床応用されており,大腸がんにおいても,高頻度マイクロサテライト不安定性(high-frequency microsatellite instability;MSI-H)の症例で,抗PD-1抗体の臨床効果が認められた。一方で,免疫チェックポイント阻害薬に不応の症例も多く存在し,抗がん剤などの標準治療との併用による有効性の検討や,治療最適化のためのバイオマーカーの検索が注目を集めている。