血友病看護の醍醐味とは何かと問われれば,新生児から高齢者を対象に,患者の年代別のさまざまなケアポイントについて理解し,適切に看護を提供することで,患者のQOLを著しく改善していけることだと答えるだろう.患者個別性を考え,看護を提供することで患者は日常生活に不安をもたずに暮らすことが可能になっている.そして患者の一番そばで必要な看護を見極めかかわっていく看護の果たす力は大きい.
2020年現在,凝固因子製剤の普及と凝固因子製剤を静脈注射で定期投与することで血友病性関節症を起こさずに暮らしている子どもたちがいるように,医療の進歩により血友病の看護も変化の時を迎えようとしている.この10年ほどでも凝固因子製剤もめまぐるしい変化をとげて,静脈注射で投与する標準型製剤から半減期延長型(extended half life ; EHL) 製剤が開発されたことにより定期投与の注射回数が減少した.また第VIII因子については第Ⅷ因子代替二重特異性抗体製剤が開発され,皮下注射で投与できるなど進化が続いていく.便利になっていく一方で徐々に問題点も明らかになっており,今回はこの点についても触れていきたい.
筆者は高校卒業後や就職を機に上京した際の受診病院,その血友病担当看護師として多くの患者を見てきた.成人期は,進学,就職,結婚,子育てとめまぐるしく環境が変わる時期で,社会的立場もできて精神的にも負担がかかる.筆者はこの時期を改めて自分自身と向き合うことになる大切な時期と認識している.