近年,わが国では巨大自然災害が頻繁に起きており,メディアの発達もあってほぼリアルタイムに情報が伝播し数日のうちに災害の程度や原因,取り組みなどが報道される.情報が入手できる環境下であれば当事者でなくとも現地で何が起きているかをある程度知ることができる.これらの報道は災害時の「備え」について考えるよい機会となる.「備え」であるからには,非災害時こそ考えねばならないわけであるが,「喉元過ぎれば…」が常人であり,筆者とて例外ではない.災害は忘れた頃にやってくるのである.
被災リスクは誰にでも存在するはずであるが,自分には起こり得ない(気がする)という根拠のない自信が被害を大きくする.自然災害の正確な予知は不可能であり,「備え」の有無が被災の程度に影響を与えるのは明らかである.医療機関も含めた組織や行政における事前の「備え」が不十分であれば損害賠償すら生じ得るのである.
血友病診療については,血液内科が専門であってもかかわっている先生が多くないことから,患者に対して災害時の「備え」について語る機会もめったにないと思われる.
さて,8年前の2011年3月11日に東日本大震災(地震・津波・放射能汚染の3重被害)が発生しわれわれは未曾有の経験をした.被災地はいまだ復興途上である.震災直後は社会的インフラが崩壊し物資の供給が途絶えたことから医療機能が遮断され血友病患者の生活・診療基盤が喪失した.今回,東日本大震災時のアンケート調査結果1)やそのほかの情報などから得られたデータを参考に,血友病患者が個々のレベルで取り得る災害時の「備え」について紹介・考察する.今後の診療の一助となれば幸いである.
被災リスクは誰にでも存在するはずであるが,自分には起こり得ない(気がする)という根拠のない自信が被害を大きくする.自然災害の正確な予知は不可能であり,「備え」の有無が被災の程度に影響を与えるのは明らかである.医療機関も含めた組織や行政における事前の「備え」が不十分であれば損害賠償すら生じ得るのである.
血友病診療については,血液内科が専門であってもかかわっている先生が多くないことから,患者に対して災害時の「備え」について語る機会もめったにないと思われる.
さて,8年前の2011年3月11日に東日本大震災(地震・津波・放射能汚染の3重被害)が発生しわれわれは未曾有の経験をした.被災地はいまだ復興途上である.震災直後は社会的インフラが崩壊し物資の供給が途絶えたことから医療機能が遮断され血友病患者の生活・診療基盤が喪失した.今回,東日本大震災時のアンケート調査結果1)やそのほかの情報などから得られたデータを参考に,血友病患者が個々のレベルで取り得る災害時の「備え」について紹介・考察する.今後の診療の一助となれば幸いである.

