Pulsed field ablation(PFA)は,高電圧のpulsed electrical fieldを用いて標的組織の細胞に非可逆的なelectroporation(電気穿孔)を引き起こすことで病変を作成する。従来の熱エネルギーを介するアブレーション法と比較して,コンタクトフォース非依存性,心筋に対する高い組織選択性,障害組織の細胞外基質が保たれる組織学的特性など,アブレーション治療にとって魅力的な特性を有する。
本稿では,PFAの有効性・安全性について近年急速に集積しつつある動物実験および臨床試験データを用いて解説し,その限界と将来的な展望を考察する。PFAはいまだ未解明な点も多いが,不整脈のカテーテル治療において将来的に高周波アブレーションにとって替わる可能性を秘めている。本稿から,PFAの魅力を感じとっていただければ幸いである。