【特集 アンチエイジングから認知症を考える】
糖尿病より認知症を考える
掲載誌
Anti-aging Science
Vol.4 No.3 122-127,
2012
著者名
里直行
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Anti-aging Science
「I はじめに」糖尿病が孤発性アルツハイマー病(AD)の後天的危険因子の1つであることがコンセンサスを得つつある. しかしながら, その機序に関してはいまだ明らかでない. 糖尿病がどのような機序でAD発症率を高めるのかを解明することで, その危険因子の制御によるADの発症・進展抑制に加え, ADそのものの発症機序の理解にも寄与できる可能性が期待される. さらに最近のAD剖検脳を用いた研究では, AD脳におけるインスリン・シグナリングの異常が示されている1). このことは, βアミロイド蓄積はAD発症に必要条件であるものの十分でないが, その十分条件が糖尿病の中に隠されている可能性をより強めている. 「II アルツハイマー病と後天的危険因子」多くの疫学的研究により, 糖尿病がADの後天的危険因子の1つであることが報告されている. The Rotterdam studyにおいて糖尿病はADの発症リスクを2倍に増加させることが報告されており2), また日本の久山町研究においても耐糖能異常はADの発症を2~4倍に増加させることが報告されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

