Poly[ADP-ribose]polymerase(PARP)は,DNAの一本鎖切断を修復するという重要な働きを担っている酵素である。このPARPを阻害すると,DNAの二本鎖切断が起こるが,通常は相同組み換え(homologous recombination)によって修復される。しかし,BRCA1またはBRCA2(BRCA1/2)遺伝子変異を有する場合など,相同組み換えが障害されると,DNAの修復機構が障害されることで,細胞死をもたらす1)。PARP阻害薬としてiniparib,オラパリブ,niraparib,rucaparib,veliparibなどの薬剤が存在し,乳がん・卵巣がんを中心に開発が進んでいる。本稿では,乳がん・卵巣がんにおけるPARP阻害薬の臨床試験の結果をもとに,対象症例の選択について解説する。
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PARP阻害薬対象症例の選択(乳がん・卵巣がん)
掲載誌
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
Vol.16 No.1 88-90,
2018
著者名
西村明子
/
松本 光史
記事体裁
抄録
疾患領域
癌
診療科目
産婦人科
/
腫瘍内科
媒体
がん分子標的・免疫治療(旧:がん分子標的治療)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。