マクロライド耐性の百日咳菌は,23S rRNA遺伝子のA2047G変異を認め,マクロライドの作用部位に結合ができないので薬剤耐性化する.1994年米国のアリゾナ州で初めてマクロライド耐性が報告された1).それ以降,世界的に散発的な報告がみられた2).耐性株が広く流行したのは中国で,中国北部の2000~2008年の菌株はすべてマクロライド感性だったが,2013~2014年にはマクロライド耐性株が91%で検出された3).国内では,2018年6月に東京,7月に大阪で1例ずつ報告されていて,それぞれ別のルートで中国からの輸入株とされる4,5).2020年からの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の対策で百日咳の流行は低く抑えられていたが,2024年の秋頃から国内で流行しはじめて2025年にかけて,2018年に全数報告疾患となって以来の最大の流行となっている.マクロライド耐性百日咳菌は,茨城,東京,大阪,兵庫,鳥取,沖縄で報告されている6-12)