COVID-19の世界的な感染拡大が続くなか,小児における感染者数は成人に比べ少ないことが知られています.
小児でCOVID-19の感染者が少ないとされる理由としては,2つ考えられます.1つは,生物学的な理由として,小児ではSARS-CoV-2受容体となるアンジオテンシン変換酵素(ACE)2の発現レベルが低いこと1),2つ目は,社会的な理由として小児の行動範囲が成人に比べ限定的であり,保育所や学校の往復のなかでは感染の機会が少ないことが挙げられます.現に小児の感染の多くは家族内感染であり,親御さんが社会から家庭のなかに持ち込むことで感染するケースが中心です2).
厚生労働省の発表によると,2020年の春,20歳未満感染者数は全体の2%程度に過ぎず,年齢別人口分布で補正しても非常に少ない状況でした.その後,新規感染者数の割合がじわじわと増えて,2021年に入って10%を超え,今では20%超まで上昇しています(図1)3).これは感染・伝播のしやすさを変化させる可能性のある変異ウイルスの影響というよりは,やはり国内での新規感染者数の増加に伴い,小児においても社会のなかで感染の機会が増えたことを反映していると考えられます.
小児でCOVID-19の感染者が少ないとされる理由としては,2つ考えられます.1つは,生物学的な理由として,小児ではSARS-CoV-2受容体となるアンジオテンシン変換酵素(ACE)2の発現レベルが低いこと1),2つ目は,社会的な理由として小児の行動範囲が成人に比べ限定的であり,保育所や学校の往復のなかでは感染の機会が少ないことが挙げられます.現に小児の感染の多くは家族内感染であり,親御さんが社会から家庭のなかに持ち込むことで感染するケースが中心です2).
厚生労働省の発表によると,2020年の春,20歳未満感染者数は全体の2%程度に過ぎず,年齢別人口分布で補正しても非常に少ない状況でした.その後,新規感染者数の割合がじわじわと増えて,2021年に入って10%を超え,今では20%超まで上昇しています(図1)3).これは感染・伝播のしやすさを変化させる可能性のある変異ウイルスの影響というよりは,やはり国内での新規感染者数の増加に伴い,小児においても社会のなかで感染の機会が増えたことを反映していると考えられます.