「小児科で遭遇する中耳炎の特徴と診察のコツ」
――先生が小児科医として積極的に中耳炎の診療にかかわるきっかけは何だったのでしょうか.
田端:以前は総合病院の小児科に勤務しており,当時は中耳炎を疑った段階で患者を耳鼻咽喉科に紹介していました.その頃は「中耳炎になると鼓膜が発赤する」という程度の認識で,鼓膜をじっくり観察した経験はなく,中耳炎の診療経験もほとんどありませんでした.しかし,当院に赴任した当時,岩見沢市内で小児の耳鼻咽喉科疾患を診ることができるクリニックは2軒しかなかったため,半ば必要に迫られるかたちで,急性鼻副鼻腔炎の症状がある子どもの鼓膜を耳鏡で観察するようになったのです.鼻炎症状が改善しない,あるいは熱が下がらないという子どもの鼓膜を実際に診てみると,それまで考えていたよりもはるかに多く中耳炎を示唆する所見に遭遇しました.発熱から2日目の患者でも鼓膜の膨隆を認めたということもありました.