Topics Q&A 時流解説
精神科医療における非自発的入院の今後の方向性について教えてください
掲載誌
DEPRESSION JOURNAL
Vol.11 No.1 24-25,
2023
著者名
藤井 千代
記事体裁
抄録
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連載
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Q&Aシリーズ
疾患領域
精神疾患
診療科目
精神科
媒体
DEPRESSION JOURNAL
非自発的入院をめぐっては,さまざまな観点から課題が指摘されている.大きくは,以下の3つの観点が挙げられる.
①非自発的入院の存在そのものの是非
②非自発的入院の手続きのあり方に関する課題
③非自発的入院の縮減に向けた課題
④権利擁護に関する課題
①は,自傷他害のおそれがある場合を含む,すべての非自発的入院の是非をどう考えるか,という課題である.後述する,障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)では,わが国における措置入院に相当する入院形態を含む,すべての非自発的入院が不可とされている.②は,非自発的入院そのものの必要性は認めつつ,入院のための適正手続きはいかにあるべきかを検討課題としている.③は,非自発的入院自体は容認しつつも,できるかぎり非自発的入院とならないようにする,あるいは非自発的入院となった場合でも可及的速やかに本人同意による入院または退院できるような治療・ケアのあり方や仕組みはどうあるべきか,という議論である.④は,精神医療審査会その他の権利擁護の仕組みや,意思決定支援のあり方,その実効性等に関する課題である.
ここでは紙面も限られていることから,①,②に焦点を当てて述べる.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

