「身体症状症および関連症群」は,身体症状症を中心として,病気不安症,変換症(転換性障害),他の医学的疾患に影響する心理的要因,作為症などの疾患を含む幅広い病態である.旧来の身体表現性障害に替わって新たに提唱された,身体愁訴に関連する病態を示す概念である.
一方のうつ病は,抑うつエピソードの診断基準である不眠(あるいは過眠),食欲不振(あるいは食欲増加),疲労感だけでなく,関節痛,腰痛,吐き気,頭痛など,さまざまな身体不調を訴える.うつ病が重症化すると身体症状数は増える傾向があり1),病気への不安も高まりがちである.それでは,「身体症状症および関連症群」と,うつ病に伴う身体症状とは,どのように病態が異なるのであろうか?また,両者において身体愁訴の鑑別は可能なのか?本稿では,それらのポイントをまとめる.