マインドフルネスとは,「今の瞬間」の現実に常に気づきを向け,その現実をあるがままに知覚し,それに対する思考や感情にとらわれないでいる心の持ち方のことである.それが今,なぜ注目されているのかといえば,うつ病や不安症の治療や再発予防に大変有用であることが,多くの治療研究によって示されてきているからである.たとえば,うつ病の再発予防を目的とするグループ療法であるマインドフルネス認知療法(Mindfulness-Based Cognitive Therapy : MBCT)では,マインドフルネスを身につけるために,8週間にわたってヨーガやさまざまな瞑想法などの練習を重ねていくが,9つのランダム化比較試験(総患者数1,258名)をまとめた最新のメタ解析1)でも,60週間のフォローアップ期間における再発率のハザード比を0.69に抑えていた.そして,抗うつ薬の再発防止効果と比較した4つの研究に限定しても,ハザード比は0.77と有意に再発リスクが小さかったのである.また,再発回数の多い重症の患者の方が,再発防止効果が大きいという結果が得られていることも注目に値するだろう.