Topics Q&A 時流解説
Q.うつ病に対する運動療法の効果について教えてください
掲載誌
DEPRESSION JOURNAL
Vol.3 No.1 22-23,
2015
著者名
冨田真幸
記事体裁
抄録
疾患領域
精神疾患
診療科目
心療内科
/
精神科
媒体
DEPRESSION JOURNAL
A 近年,軽症うつ病を対象とした代替療法として,また難治性うつ病における薬物療法の補完療法として,さらにはうつ病の寛解維持・発症予防を目指して,運動療法が注目を集めている.ほとんどコストもかからないうえに副作用も少なく,運動によって体力を増強・維持し,健康を保つという考え方は誰にでも受け入れやすい.運動は気分転換にもなり,自己評価を高めることもできる.生物学的にも筋力の増強は体温の維持やそれによる免疫機構の活性化に役立つであろうし,心肺機能の向上はストレス下における交感神経の興奮状態への耐性を高めるだろう.具体的に作用機序として想定されているのは,前頭前野の脳血流増加1),セロトニン活性やHPA(hypothalamic-pituitary-adrenal)axisへの影響など何らかの生物学的変化を介している可能性2),体力向上との関係,そして気分転換,周囲からの評価や自信の高まり,周囲との接触増加などの非特異的要素である.体力向上との時間的関係については,わが国で小口らが行った研究3)でも,運動開始から3カ月ほどでまず先に体力の増加がみられ,気分の改善はそれより遅れて6カ月後ほどになる,との予測モデルを示している(図1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

