アルコール使用障害に対する薬物療法は,わが国においては,維持療法の3本柱の一つとして,以前より重視されてきた。しかし,アルコール使用障害の治療においては,心理社会的療法が中心的であり,薬物療法が実施される比率は他の精神疾患と比較して低く,補助的な役割に留まっている。アルコール使用障害への薬剤の有効性や,使用上の注意事項について確認して,薬物療法の適応について考察していく。さらに,心理社会的療法の適応について補足して,薬物療法との組み合わせについて言及する。