新型コロナウイルス感染症パンデミックは多くの人に外出自粛と在宅勤務を強いた。この状況は長期間に及び,人々にさまざまな健康影響を及ぼした。特にストレスの増加やコミュニケーションの減少,そして飲酒習慣の増加も心配された。われわれは在宅勤務を行った社員約1,300名を調査し,さまざまな生活習慣の実態を調査した。ストレスの増加やコミュニケーションの減少はみられたが,飲酒習慣には意外にも増加した群と減少した群が拮抗していた。しかしながら各群を比較することにより,コミュニケーションの減少によるストレスと飲酒頻度の多い飲酒習慣が増加する群の特徴であることがわかった。在宅勤務における飲酒の増加を予防するためには,いかに多くコミュニケーションをとってストレス解消をするか,飲まない日を設けて常用飲酒を予防するかが肝要と思われる。
Special Article:特集
新型コロナウイルス禍におけるアルコール問題
4.新型コロナウイルス禍における在宅勤務労働者の飲酒状況の変化
掲載誌
Frontiers in Alcoholism
Vol.9 No.2 25-29,
2021
著者名
田中 完
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
精神疾患
診療科目
心療内科
/
精神科
媒体
Frontiers in Alcoholism
Key Words
新型コロナウイルス禍,在宅勤務,飲食店の自粛,コミュニケーション,飲酒習慣
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。