2018年に行われた人の飲酒行動に関する全国調査において,リスク飲酒の割合は女性 6.5%,男性 14.0%であり,男性は減少したが女性は横ばいで,リスク飲酒の男女差縮小がみられた5)。親の多量飲酒,12年以下の学歴,離婚・離別といったリスク飲酒の背景因子は男女で共通していた。機会大量飲酒の割合は女性 8.4%,男性 32.3%で,男女計で有意な増加がみられた。女性では20~30歳代,就業が機会大量飲酒の背景因子となっており,男性との違いがみられた。アルコールの他者への害(Alcohol’s harm to others)は飲酒者からの害を広範囲に含む概念で,2018年調査において飲酒者からの困った経験を調べたところ,家族からの被害経験の割合は女性 10.3%,男性 8.0%,家族以外の被害経験の割合は女性 11.8%,男性 19.9%であった5)。
特集 アルコール依存症と性差
4.飲酒パターン・関連問題の性差
掲載誌
Frontiers in Alcoholism
Vol.9 No.1 22-27,
2021
著者名
金城 文
記事体裁
抄録
/
特集
疾患領域
精神疾患
診療科目
心療内科
/
精神科
媒体
Frontiers in Alcoholism
Key Words
飲酒パターン,生活習慣病のリスクを高める量の飲酒(リスク飲酒),機会大量飲酒,アルコールの他者への害(Alcohol’s harm to others),ビンジ飲酒
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。