女性のアルコール依存症は増加傾向にある。久里浜医療センターでは現在から30年の間に女性新患数は約2倍となった。背景には女性の飲酒率の増加があると考えられる。
女性のアルコール依存症には大きく分けて2つの特徴がある。まず1つは,男性より若くして発症することである。全国調査では入院患者のピークが男性は50歳代だったのに対し,女性は30歳代だった。もう1つは,男性に比べ重複障害が多いことである。摂食障害は頻度の高い重複障害であり,20歳代の女性アルコール患者では72%に認められた。
女性の依存症には男性とは異なる背景があるため,個別のかかわりも重要とされる。集団療法を行う際にはボーダーラインシフトが効果的と考える。