下剤(緩下剤)乱用(Laxative abuse)は,頑固な慢性便秘症の改善,美容目的や痩身願望により緩下剤を大量または長期間服用してしまう状態で,便秘依存症(Laxative dependence)とほぼ同義である1).女性に多く認められる病態で,最初は常用量の下剤服用から始まって,「明日排便がなかったらどうしよう」「食べすぎているので排出させないと体重が増加してしまう」等の不安感より,しだいに下剤服用量が増加し,時には下剤の常用量の数十倍の量を服用する場合がある.私の経験した下剤乱用者のうち,下剤の服用量の最高症例は,1日に600錠服用するという女性の患者であった.100錠前後の服用者数は,比較的多く存在する.これらの患者の下剤購入先を質問すると,その多くは,インターネットを通じて購入している場合が多かった.また一般薬局,ドラッグストア等でも,下剤を500錠単位で購入することが可能なので,安易に下剤を購入することが可能なのである.しかも1錠あたり数円単位で購入が可能なので,経済的負担も比較的重くならないようである.また,神経性食思不振症の患者でも,しばしば下剤や利尿剤の乱用が認められる2).このような患者は心身症を背景とすることがある.
【特集 女性の便秘】
4 下剤の乱用
掲載誌
WHITE
Vol.5 No.1 29-37,
2017
著者名
松生恒夫
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
一般内科
媒体
WHITE
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

