高トリグリセライド(TG)血症,低HDLコレステロール(HDL-C)血症は肥満やメタボリック症候群,インスリン抵抗性と関連することが知られており,同時に脳卒中のリスクファクターとして考えられているが,背景にある肥満やインスリン抵抗性,耐糖能異常,LDL-C血症などから独立してこれらのリスクファクターとなるかどうかは明らかではなかった。
ACCORD trialでは糖尿病患者においてスタチン単独群とスタチン+フェノフィブラート併用群での冠動脈疾患(coronary heart disease;CHD)リスクは有意差が認められず,フェノフィブラートの効果は高TG血症,低HDL-C血症合併例に限られていた。高TG血症,低HDL-C血症に対してどれほど介入すべきか臨床的には判断が難しいと考えられる。
今回の報告で著者らは高TG血症,低HDL-C血症のCHD,脳卒中リスクが耐糖能異常の程度や,性別,LDL-C値によって変化するかを肥満・糖尿病の有病率が高い米国先住民において検証している。
結果としては高TG血症,低HDL-C血症かつ糖尿病であることはCHD・脳卒中リスクを増加させ,また高TG血症,低HDL-C血症かつLDL-C≧130mg/dLであることは脳卒中リスクを増加させたことが明らかになった。今後の脂質管理において個々のCHD・脳卒中のリスクを考慮したうえで治療方針を検討する際に参考になる報告である。