EUS-FNA(Endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration)は,高い正診率,低い合併症率の検査法であり,膵腫瘍診断において有用な方法である。これまでの画像診断の限界を補いうる診断法として広く普及している。EUS-FNAは,腫瘍の確定診断のみではなく,外科的切除あるいは抗腫瘍療法前の組織学的確証を得るための不可欠の手法と考えられている。しかしながら,膵癌を含む腫瘍性病変において,EUS-FNA後のneedle tract seedingの報告が散見されるようになっており,外科切除前の施行の可否の議論が続いている。筆者も通常の日常診療ではEUS-FNAを施行しているものの,FNA後のneedle tract seeding症例も経験している1)2)。このため,本項ではEUS-FNAを施行しないという立場から論じてみたい。
誌上ディベート
膵体部病変の切除可能例に対して超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)を行うか
②行わないという立場から
掲載誌
膵・胆道癌FRONTIER
Vol.8 No.1 15-18,
2020
著者名
潟沼 朗生
記事体裁
抄録
/
誌上ディベート
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
腫瘍内科
/
消化器内科
媒体
膵・胆道癌FRONTIER
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。