「はじめに」今回のテーマは,“膵頭十二指腸切除術において術前ドレナージに何を選択するか?”であるが,ERBDと一口にいっても,大口径ステント(金属ステント)を留置するのか,小口径ステント(プラスチックステント)を留置するのかで大きく意見が分かれ,疾患群によっても留置の方法が異なることが予想される。術前ドレナージ法と手術成績とは直接的な因果関係があるが,手術自体のやりやすさ,術中・術後の偶発症に関しては,外科医の熟練度にも大きく影響しており,安易にENBDが良いともERBDが良いとも言えないのが現状である。しかし,最近の風潮からすると中下部胆管狭窄の術前にはERBDが選択され,肝門部胆管癌の術前ドレナージにはENBDが選択される傾向にある。本稿では,ERBDを選択する立場から,その優位性と課題を検討したい。ただし,あくまで膵頭十二指腸切除術の術前胆管ドレナージに対する意見であることを付け加えておく。
・ENBDを選択する立場から/大木克久 ほか
・ERBDを選択する立場から/原和生 ほか
・各論を総括して/島田和明
・ENBDを選択する立場から/大木克久 ほか
・ERBDを選択する立場から/原和生 ほか
・各論を総括して/島田和明