基礎講座 バソプレシンと心不全
第8回 腎性尿崩症―何故バソプレシン不応になるのか―
掲載誌
Fluid Management Renaissance
Vol.3 No.2 64-69,
2013
著者名
神崎晋
/
岡田晋一
/
西村玲
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
Fluid Management Renaissance
「はじめに」腎性尿崩症は, 腎集合管主細胞においてバソプレシン(AVP)不応が存在するために尿濃縮障害をきたす疾患群である. その結果として多尿, 口渇, 多飲を引き起こす. 所見として, (1)多量の低張尿(尿量3L/日以上, 尿浸透圧300mOsm/kg未満が多い), (2)血漿浸透圧・血清Naの上昇, (3)血漿AVP高値, をきたす. 合成AVPであるデスモプレシン(DDAVP)投与に対する反応が乏しい点で, 中枢性尿崩症や心因性多飲との鑑別が可能である. 腎性尿崩症は, 先天性と後天性に分類される. 後天性腎性尿崩症の原因としては, 薬剤(炭酸リチウム, デメチルクロルテトラサイクリン, アムホテリシンBなど), 低K血症, 高Ca血症などによる尿細管障害や, 閉塞性尿路疾患などが挙げられる(表1). 成人では炭酸リチウムによる尿崩症が最も多い. 先天性腎性尿崩症は遺伝子異常によるもので, 原因遺伝子としては抗利尿ホルモン(ADH)の2型受容体(V2R)遺伝子であるAVPR2, ADH感受性の水チャネルであるアクアポリン(AQP)2遺伝子AQP2が同定されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

