Summary  バソプレシン(VP)とオキシトシン(OXT)は下垂体後葉から分泌されるホルモンであるが,近年これらのペプチド含有神経終末および受容体が脳内に広く分布し,社会認知行動や情動応答などに関与することが明らかにされた。また,不安障害,うつ病,自閉症などの病態への関与が示唆されている。VP遺伝子とOXT遺伝子は互いに相同性が高く,リガンドや受容体の脳内分布にも共通性が認められるが,それぞれの受容体によって媒介される高次脳機能への関与には差異が認められる。受容体特異的拮抗薬や遺伝子ノックアウトマウスを用いた研究により,VPとOXTの脳内作用についての理解が急速に進んだ。本稿では,VPとOXTの脳内作用に加え,それぞれの受容体リガンドを中枢疾患治療薬として臨床応用する可能性について解説する。