はじめに  スルピリドは,錐体外路症状,高プロラクチン血症,食欲亢進などの副作用があり,胃薬として処方されることはほとんどない.むしろ,抗うつ剤や抗幻覚妄想作用による統合失調症や認知症の周辺症状にも使用されている.経験上,スルピリドは消化管,婦人科領域の疼痛に時に著効するが,文献的に報告例が散見される程度であり1),どうして効くか疑問を感じていた.著効例を提示し,オキシトシンとの相互作用による考察を試みた.