パーキンソン病診断のコツとPitfall
本態性振戦がパーキンソン病に変貌を遂げるとき
掲載誌
Frontiers in Parkinson Disease
Vol.8 No.4 30-34,
2015
著者名
福武 敏夫
記事体裁
症例
/
抄録
疾患領域
神経疾患
診療科目
脳神経外科
/
神経内科
媒体
Frontiers in Parkinson Disease
「はじめに」本態性振戦(essential tremor:ET)とパーキンソン病(PD)は運動異常症のなかで最も頻度の高い2つの,本来互いに区別される疾患であるが,その関係については200年にわたって議論されてきた。振戦は当然ながらETの根本的な症状であり,PDにおいても主要症状の1つであって,さらに振戦が目立つ一群(亜型)がある。このため,2つの疾患は互いに誤診されることがある。特に,振戦が前景に出ている患者では実際はETである場合もPDと診断され,抗PD薬が開始されることすらある。ETにおける振戦は4~12Hzで姿勢時・動作時に現れ,PDにおける振戦は4~6Hzで静止時に現れるという基本的な鑑別法はあるが,実臨床では紛らわしい振戦を呈する患者にときどき遭遇する。ETとPDの振戦を明確に鑑別できる有用な手段に乏しいために,初期の診断は他の症状の病歴聴取や家族歴・薬物歴,筋強剛などの診察に頼らざるを得ない状況であったが,最近ではMIBG心筋シンチグラフィ(MIBG心筋シンチ)や脳ドパミントランスポーター(DAT)スキャンのような検査法も登場している。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

