「はじめに」パーキンソン病(PD)の有病率・罹患率・発症年齢には男女差があるとする報告が多い1)。欧米ではPDの有病率・罹患率は男性のほうが高く,発症年齢も男性のほうが早い。例えば,7つの臨床研究に基づくメタ解析では,年齢を補正した男性のPD罹患率は女性の1.49倍に上っている2)。また,2014年に報告されたより大規模のメタ解析では,PDの有病率はほぼすべての年齢で男性のほうが多い傾向にあり,50~59歳では有意に男性の有病率のほうが高かった〔100,000人当たり女性41人(95%CI:24-71),男性134人(95%CI:63-285),p<0.05〕3)。興味深いことに,PDの有病率の男女差には地域差があり,欧州・北米・豪州および南米では男性のほうが多い傾向にある一方,アジアでは女性のほうが多い傾向にある3)。実際,わが国の特定疾患治療研究事業臨床調査個人票に基づいて行われた疫学研究では,新規申請分と更新分のいずれも女性のほうが多く,過去に米子市・出雲市・岩見沢市・山形県で調査された結果も同様であった4)。
本企画は問題点をよりクローズアップすることを目的としており,このテーマに対して,あえて一方の見地に立った場合の議論であって,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。
・「Yes」の立場から/皆川栄子
・「No」の立場から/西川典子
本企画は問題点をよりクローズアップすることを目的としており,このテーマに対して,あえて一方の見地に立った場合の議論であって,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。
・「Yes」の立場から/皆川栄子
・「No」の立場から/西川典子