孤発性胃癌の減少により,欧米では全胃癌の約1~3%を占めるとされる遺伝性胃癌がわが国でも目立つようになってきている。特に,CDH1遺伝子の生殖細胞突然変異が主な原因である遺伝性びまん性胃癌(HDGC)については,最近,報告が目立つようになってきた。印環細胞の蜂巣が多数発生する特徴的な臨床・病理像については欧米と同様であるが,その進展にピロリ菌感染の影響の解析が重要と思われる。分子機構として,CDH1遺伝子変異の多様性やセカンド・ヒットとしてエピジェネティック異常の重要性などが解明されている。近年,ナンセンス変異に対する新規治療や,孤発性胃癌ではエピジェネティック異常によるリスク診断の開発が進んでおり,HDGCについてもこのような新規技術を応用することで,死亡率の減少につながる可能性がある。
「KEY WORDS」遺伝性びまん性胃癌(HDGC),CDH1遺伝子,E-カドヘリン,生殖細胞突然変異(germline mutation)
「KEY WORDS」遺伝性びまん性胃癌(HDGC),CDH1遺伝子,E-カドヘリン,生殖細胞突然変異(germline mutation)

