胃の未分化癌や特殊な癌との遭遇はまれであるものの,専門医としては知っておくべき腫瘍が多々ある。本項ではこれらを概説し,低頻度ながら,記憶に残すべき図を供覧した。ご参考になれば幸いである。
「はじめに」ほとんどの胃癌は管状腺癌,印環細胞癌,低分化腺癌のいずれかに分類され,未分化癌や特殊な癌との遭遇は,病理診断医以外の医師にとっては甚だ少ないと思われる。そうであっても,専門医としては知っておくべき胃悪性腫瘍が多々あり,これらを概説した。紙面の関係もあり,図は比較的低頻度の場合の腫瘍に限定した。ご参考になれば幸いである。
「未分化癌」癌巣内に腺癌や扁平上皮癌などの成分がまったく認められず,他の悪性腫瘍とも区別され得る場合の癌と定義される1)。その確定診断には,通常以上に多い病理切片を作成し,かつ,多種類の免疫組織化学的染色や電子顕微鏡的検索なども加えた病理組織学的検索が必須である。