てんかん外科の低侵襲化が進んでいる.特に,2010年前後頃からの北米での頭蓋内脳波における硬膜下電極から定位的頭蓋内脳波(stereotactic electroencephalography:SEEG)への移行と,レーザー焼灼術注1( laser interstitial thermal therapy:LITT)のてんかん外科への導入は,大きなパラダイムシフトとなった.さらに,ロボット支援装置の導入も,これを推進する流れとなった.現在,LITTはさまざまなてんかん外科に応用されている.2022年に米国の定位・機能神経外科学会(American Society of Stereotactic and Functional Neurosurgery:ASSFN)から出された薬剤抵抗性てんかん(drug-resistant epilepsy:DRE)に対するLITTに関する提言では1),LITTのDREに対する適応は,①少なくとも2剤の適切な抗てんかん発作薬に反応しない,もしくは不耐性なDREで,②LITTにより到達可能である明確なてんかん原性焦点ないし発作伝播に重要な伝播経路,とされている.逆に,LITTで到達できない部位,核磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging:MRI)検査を施行できない症例,手術を実施できないような併存症(心疾患,呼吸器疾患など)をもつ症例などは適応外としている.すなわち,通常の開頭手術によるてんかん外科とほぼ同等の手術適応があるといってよい.
注1 正式な和訳は見受けられない.その他に,「レーザー組織内温熱療法」「レーザー温熱凝固療法」などの用語がみられる.

