「はじめに」2014年,改正道路交通法と自動車運転死傷行為処罰法が施行された.これら2つの法律はてんかんのある人の自動車運転に関する新たな規制や罰則を含んでおり,てんかんのある人の生活や医療者の診療に大きな影響を及ぼすことが考えられる.本稿では,最近数年間のこれら2つの法律をめぐる経緯について概説する.なお,2011年以前の状況についてはほかの総説1-3)に詳しく述べられている.
「1 改正道路交通法」「1.てんかんのある患者による交通事故」2010年以後,てんかんのある患者による交通事故の報道が相次いだ.そのなかでも,2011年4月,栃木県鹿沼市で大型クレーン車が通学中の児童の列に突っ込み,6名が亡くなるという痛ましい事故が起きた.