涙液層は異物・微生物の侵入を防ぎ,眼表面の恒常性を維持することで,視力を保つ上で不可欠な役割を果たす1)。涙液はさまざまなタンパク質,酵素,水,脂質,電解質で構成されている1)-3)。涙腺腺房から分泌されるラクトフェリンは殺菌,抗腫瘍および抗ウイルス・真菌効果を発揮する。そして免疫調節特性を示し,眼表面の恒常性維持に寄与する4)。涙液中ラクトフェリン濃度は,シェーグレン症候群および非シェーグレンドライアイ患者で減少することが報告されている2)5)-8)
従来のラクトフェリン測定法の大半は,古典的なenzyme-linked immunosorbent assay(ELISA)を含む免疫測定法に基づいている9)。ELISAには手技の煩雑さや検査時間の長さ,ランニングコストが障壁となる。
「KEY WORDS」マイクロ流体紙試験紙,ラクトフェリン,ドライアイ,ELISA