「認知症の危険因子:生活習慣の観点から」この20年間に行動・社会科学的側面からアルツハイマー病および認知症の危険因子が多数報告され,一定の見解がまとまりつつある。2004年に報告されたFratiglioniらのレビュー1)を参考に認知症の危険因子と保護因子をまとめると,若年期においては遺伝的あるいは社会・経済的な危険因子が存在し,教育を受ける機会が減少すると認知的予備力を十分蓄えることができないことなどが,将来の認知症の発症に関連すると考えられている。成人期においては,高血圧,脂質異常,糖尿病などの生活習慣に関連した危険因子が現れる。これらは脳血管疾患のみではなくアルツハイマー病の危険因子でもあり,将来の認知症を予防するためには,服薬管理と食事療法2)を実践することが重要な課題となる。高齢期には老年症候群などの因子が重要な認知症の危険因子となる。
「Key Words」認知症,非薬物療法,運動,認知的活動,社会的ネットワーク