「はじめに」ヒトは血管とともに老いる(A man is as old as his arteries.)というWilliam Oslerの有名な言葉どおり,高齢者では高頻度に大動脈の石灰化が認められる。これまで血管石灰化は,老化に伴う非特異的な退行変性と考えられてきたが,ここ20年程の間に,血管石灰化は骨形成に類似した能動的過程であることが明らかになってきた。また,高齢者にみられる血管石灰化はしばしば骨粗鬆症と合併し,この合併はカルシウムパラドックスとも呼ばれる。このパラドックスのメカニズムの解明がエイジング過程の解明につながる。
「Key Words」血管平滑筋細胞,転写因子,内膜石灰化,中膜石灰化