「はじめに」老化や飢餓など,生命を脅かすストレスが加わると,生体は生存をかけてさまざまな反応を示す。このようなsurvival responseの誘導に必須のホルモンとして,線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor:FGF)21がある。FGF21は肝臓から血中に分泌されるが,FGF21の作用発現にはFGF受容体とβKlotho蛋白の複合体(βKlotho-FGFR1複合体)が必須である1)。βKlotho-FGFR1複合体は主に脂肪細胞,視床下部の視交叉上核(suprachiasmatic nucleus:SCN)に存在し,FGF21はこれらの標的臓器に作用して空腹時の代謝反応(脂肪分解,ケトン体生成,糖新生)に加え,視床下部-下垂体-副腎(HPA)系および交感神経系を活性化してストレス応答を誘導する2)3)。
「Key Words」FGF21,βKlotho,視交叉上核,概日リズム,睡眠呼吸障害