「はじめに」まず結論から述べよう。仏道修行が寿命を延ばすことは間違いないであろう。それは日本の禅僧の平均寿命が,その時代の平均寿命から著しくかけ離れて長いことから明らかである1)。“禅僧の長寿の要因には,その生活様式,環境など種々のことが考えられるが,厳しい修行で悟りを開き,生死を超越し,諸々の煩悩から離れ,精神的には最も安定した理想的な境界にあると考えられる”と,仲村1)はその理由を推測している。僧の寿命が長いのは洋の東西を問わないようである。西洋の疫学的研究でも,霊性や宗教性をもつ人の罹病率や死亡率は低いことが示されている2)。では次に,仏道修行が幸せの要因となることを述べよう。大乗仏教では心の深層を浄化する方法として,布施,持戒,忍辱,精進,禅定,智慧という6つの徳目―六波羅蜜を定めている。
「Key Words」布施,瞑想,祈り,前頭前野活性化,扁桃体興奮性の低下