「はじめに―マインドフルネスとは」マインドフルネスとは,元来,「開放的でとらわれのないこころの状態」を意味し,「今,この瞬間の体験に意図的に意識を向け,評価をせずに,とらわれのない状態で,ただ観ること」と定義づけられている1)。マインドフルネスは,仏教教義に根差した瞑想の一形態であるヴィパッサナー瞑想に由来し,仏教圏のアジアでは修行の一環として用いられていたが,20世紀後半になり,欧米諸国に伝播し,Kabat-Zinnにより体系化・臨床に応用されるようになった1)。近年では,さまざまな脳機能画像研究により,マインドフルネスによる前部帯状回皮質,前頭前野,側頭頭頂接合部などの変化が報告されている。これらは注意,情動調整,身体感覚,自己体験などと関連する領域であり,マインドフルネスの効果が科学的に証明されつつある2)。また,臨床疾患のみならず,予防医学,教育,福祉,犯罪構成などの幅広い分野で活用されている。本稿では,その中でも,幅広く応用されつつある身体疾患への効果について紹介する。
「Key Words」マインドフルネス,マインドフルネスストレス低減法(MBSR),アクセプタンス・コミットメントセラピー(ACT),身体疾患,Quality of Life