再発性多発軟骨炎(relapsing polychondritis:RP)は,全身の軟骨組織に慢性かつ再発性の炎症を生じる指定難病疾患である1).本疾患の臨床症状として,両側性耳介軟骨炎が最も頻繁に認められ,これに加えて,気道軟骨炎,鼻軟骨炎,多発性関節炎,眼症状(強膜炎,結膜炎,ぶどう膜炎,視神経炎など)や内耳障害などが挙げられる.進行例では,気管軟骨の消失や気道の線維化により呼吸不全を呈する場合がある.また,プロテオグリカンを多く含む心臓組織にも炎症が及び,心膜炎,心筋炎,弁膜症,血管炎などの心血管病変を併発し,致死的な転帰をたどる例も報告されている.