Linear cutaneous lupus erythematosus(LCLE)は,CLEのまれな一型で,ブラシュコ線(Blaschko’s lines)に沿って線状に配列する皮疹である.1998年にAbeらが初めて小児の顔面の皮疹がブラシュコ線に一致して出現することを指摘し,LCLEとして報告した1)

顔面を含む頭頸部のブラシュコ線は,Happleらにより2001年に収集報告された2).この線は胎生期の皮膚細胞が増殖進展していくラインに相当し,神経,血管,リンパ管の走行とは関連しない.多くの母斑や後天性疾患がこの線上に配列する.後天的に発症する場合は,遺伝的モザイクをもった表皮細胞が,何らかの発症トリガー(外傷・紫外線など)によって,ブラシュコ線上に皮疹として浮かび上がってくると推察される3)