Th17は関節リウマチ,乾癬などの自己免疫疾患の病態に関与しており,治療のターゲットにもなっている.アトピー性皮膚炎(AD)ではTh2サイトカインが病態に最も重要であるが,Th17サイトカインも病変部で発現している.ADではIL-17よりもIL-22産生のほうが優位であり,抗菌ペプチドの産生が乾癬より低いことや,細菌感染症をくり返すことに関係していると考えられる.抗IL-12/23p40抗体であるウステキヌマブがADに奏効しないことを考慮すると,Th17はADの病態の中心というよりは,外部からの異物の侵入や感染症に備えるための防御反応として存在していると考えられる.
「KEY WORDS」IL-22,アトピー性皮膚炎(AD)のサブタイプ,ウステキヌマブ,創傷治癒,抗菌ペプチド