アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis;AD)患者の皮膚では,Th2サイトカインの産生増加によりフィラグリンをはじめとするバリア関連蛋白の発現低下が生じる1).また,タイトジャンクションの機能低下,および抗菌ペプチドの産生低下も報告されている.これらの複合的な皮膚バリア機能低下により,細菌,ウイルスによる皮膚感染症を合併しやすい.伝染性膿痂疹(黄色ブドウ球菌感染症)や伝染性軟属腫(Molluscipoxvirus感染症)がしばしば難治であるほか,カポジ水痘様発疹症(単純ヘルペスウイルス感染症)を発症し,発熱などの全身症状を来すこともある.これらの皮膚感染症と,ADの本態である湿疹反応の増悪とを区別することは必ずしも容易ではない.