大山 本日は脱毛症と免疫をテーマに,脱毛症の免疫がご専門の伊藤先生と議論したいと思います.動物にとって毛は体表を保護する役割を持っており,免疫と同じように防御機構を担っています.また最近では,フロントラインの次の防御機構としての体内免疫系を動かすトリガーとしての役割もあると言われるようになってきました.伊藤先生は,毛と免疫の関係をどのようにとらえられていますか.
伊藤 たとえばホッキョクグマの体毛が全部脱毛してしまえば,北極では生きていけませんし,鳥は飛べなくなってしまいます.動物にとって毛はきわめて重要で,角膜や爪,中枢神経,精巣や胎盤などと同じように,生存や種の維持に不可欠な組織です.そのような重要な部位では,過剰な免疫が起こってしまっては困ります.
毛包は皮膚の入り口でもあるため,上部には樹状細胞などリンパ球が多く存在し,MHCクラスⅡも発現して,防御,免疫機構が働いています.しかし幹細胞の存在するバルジ領域以下では,過剰な免疫を起こしたくありません.この二面性のある2つの働きがセットになって,皮膚は維持されています.
大山 毛と免疫について論じるためには,毛自体に対して過剰な免疫を起こさない機構の理解が不可欠だと思います.先生が長年研究されている「免疫特権」の概念を,もう少し詳しくご説明いただけますか.
伊藤 たとえばホッキョクグマの体毛が全部脱毛してしまえば,北極では生きていけませんし,鳥は飛べなくなってしまいます.動物にとって毛はきわめて重要で,角膜や爪,中枢神経,精巣や胎盤などと同じように,生存や種の維持に不可欠な組織です.そのような重要な部位では,過剰な免疫が起こってしまっては困ります.
毛包は皮膚の入り口でもあるため,上部には樹状細胞などリンパ球が多く存在し,MHCクラスⅡも発現して,防御,免疫機構が働いています.しかし幹細胞の存在するバルジ領域以下では,過剰な免疫を起こしたくありません.この二面性のある2つの働きがセットになって,皮膚は維持されています.
大山 毛と免疫について論じるためには,毛自体に対して過剰な免疫を起こさない機構の理解が不可欠だと思います.先生が長年研究されている「免疫特権」の概念を,もう少し詳しくご説明いただけますか.

