Point!「スズアレルギーはまれだが,歯科金属,はんだ,工業用スズ合金などの抗原曝露で発症し得る.」
スズ(錫,記号:Sn,英:Tin)は,コバルト,ニッケルに次いでイオン化傾向が大きく,決してアレルギーを起こしにくい金属ではない.しかし,スズアレルギーはニッケル,コバルト,クロムに比べまれな疾患である.臨床型としては,アレルギー性接触皮膚炎,蕁麻疹・口唇腫脹,扁平苔癬が報告されており,そのほかの金属アレルギーと違いはない.図1はスズアレルギーを呈した40歳代女性の左手掌の接触皮膚炎である.病院の窓口で会計を担当する事務職であり,日常的に左手でコインを扱っていた.手掌には,瘙痒の強い紅斑,搔破痕がみられた(図1a).また,歯科金属を有するが,口腔内には粘膜疹はなかった.金属パッチテストでスズが強陽性を示した(図1b).