写真で学ぶアレルギー
これが多形紅斑のTarget lesionだ!
掲載誌
皮膚アレルギーフロンティア
Vol.10 No.2 71,
2012
著者名
水川良子
記事体裁
抄録
疾患領域
アレルギー・免疫
/
皮膚疾患
診療科目
アレルギー科
/
皮膚科
媒体
皮膚アレルギーフロンティア
「Point! 中心の色調が濃く, 虹彩状あるいは標的状の外観を呈する」「1. 臨床所見」多形紅斑は爪甲大から鳩卵大前後のやや浮腫性を呈する環状の紅斑で, 四肢伸側に好発する. Target lesionは辺縁が堤防状に隆起し, 中心が陥凹する虹彩状あるいは標的状の外観を呈する特徴的な皮疹で, 中央部が水疱を呈する場合もある(図1). 多形紅斑の原因としては, さまざまな感染症(マイコプラズマ感染, 単純ヘルペス感染)が知られている. また, 接触皮膚炎や薬剤によっても生じる. 通常皮膚に限局しているが, 粘膜を侵し全身に広範囲に生じる重症型はスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と呼ばれ, 生命予後や後遺症の点から注意を要する. 病理組織学的には浮腫や炎症性の細胞浸潤を認め, 表皮型・真皮型・混合型に分類される. Target lesion部では表皮の炎症反応が強く生じ, 表皮細胞のアポトーシスやリンパ球を主体とした炎症性細胞浸潤がより密に認められる(図2).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。