「Summary」呼吸器疾患に伴う肺高血圧症(PH)は,「ニース分類」で第3群に分類される。第3群PHは7亜型に分類されているが,そのうち1~3型までが呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患(COPD),間質性肺疾患,拘束性・閉塞性換気障害を併存する肺疾患)に伴うPHである。本稿では,呼吸器疾患に伴うPH(R-PH)の現状と今後の課題・展望について概説する。
「はじめに」近年,肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension;PAH)および慢性血栓塞栓性肺高血圧症を適応とする新たな治療薬が使用可能となり,さらなる治療効果と予後の改善が期待されている。そのなかで,呼吸器疾患に伴う肺高血圧症(respiratory disease-associated pulmonary hypertension;R-PH)ではPAH治療薬の使用を推奨するエビデンスはいまだなく,国内・海外のガイドラインでも同薬剤の使用は慎重であるべきとの立場がとられている。

