「Summary」重症下肢虚血(CLI)に対する最適な治療は,血行再建術である。近年,CLIに対する血管内治療(EVT)による良好な臨床成績に基づき,実臨床の現場では広く用いられるようになった。しかしながら,膝下動脈に対するEVTはバルーン拡張術に限られ,治療後3ヵ月時点での再狭窄/再閉塞率は約70%と不良である。ACCF/AHAガイドラインによれば,期待される生命予後が2年以上であればバイパス手術(BSX),2年未満であればEVTを選択するよう指針が示されている。われわれの検討では,CLIを有する症例における2年以内の死亡予測因子は75歳以上,歩行不能状態,透析,低左心機能であった。実臨床において大切断回避は得られたものの,創傷治癒遅延を呈する症例は問題である。J-BEATデータベースにより同定された創傷治癒遅延に関わる因子を多数有する高リスク群では,EVT後2年時点での創傷治癒率はわずか32%であり,現状のEVTにおける限界といえる。
特集 血管内治療と外科的治療 Up-To-Date
重症下肢虚血に対する血管内治療の役割・限界
The role and limitation of endovascular therapy for critical limb ischemia
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.15 No.3 36-43,
2014
著者名
白記 達也
/
飯田 修
/
上松 正朗
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
診療科目
心臓血管外科
媒体
Angiology Frontier
Key Words
重症下肢虚血(critical limb ischemia),血管内治療(endovascular therapy)
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

