「Summary」2型糖尿病に対する新たな治療として, インクレチン関連薬が臨床で広く使用されるようになった. インクレチン関連薬は, 血糖コントロール改善作用だけでなく臓器保護作用が注目されているが, 心保護作用の機序の詳細は明らかではなかった. 筆者らは, 糖尿病血管合併症の成因として酸化ストレス亢進が重要であることを報告してきたが, グルカゴン様ペプチド(GLP)-1受容体作動薬は糖尿病心での脂質の沈着・ジアシルグリセロール(DAG)-プロテインキナーゼC(PKC)経路の活性化を抑制し, その結果, 酸化ストレスを減少させ心保護作用をもたらすことを見出した. 今後のさらなるインクレチン関連薬の心保護作用の機序の解明や, ヒトでの大規模臨床研究での結果が期待される. 「はじめに」インクレチンは食事摂取に伴い消化管から分泌され, 膵β細胞に作用してインスリン分泌を促進するホルモンの総称であり, グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(glucose-dependent insulinotropic polypeptide; GIP)とグルカゴン様ペプチド(glucagon-like peptide; GLP)-1がある.
特集 インクレチンと心血管障害
インクレチン関連薬の心保護作用
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.12 No.1 51-56,
2013
著者名
井上 智彰
/
井口 登與志
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
糖尿病
診療科目
老年科
/
神経内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
一般内科
/
腎臓内科
/
循環器内科
媒体
Angiology Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

